今月の詩・祐二さん
佐古祐二さんの「夕映え」を今月の詩にアップしました。構成が建築物のようにしっかりしていながら、それを越えてなんとも形容しがたい抒情が寄せてきます。いうならばリアリティのある抒情というものでしょうか。
先日、実作講座で室生犀星を取り上げました。そのおり、犀星の抒情の質が「(生きていることの)肯定の抒情」であると定位しました。犀星のみならず大正の詩はもっぱらいかに人生を肯定していくかに自己の詩の質を問うていたのですが、その後現代詩に到まで「否定の抒情」に変質し、いまや抒情そのものを否定すること(シニシズム)が詩壇ジャーナリズムに現れた詩の主流となった事を述べました。
素直でなくどこまでも意地悪な、それでいて大衆の「前衛」であると自負している、いわゆる「現代詩らしさ・現代詩の身振り」というものがあります。そんな偽物は一生懸命に毎日生きている人々には見抜かれてしまいます。現代詩のこのえらそうな身振りが、読者を失ってしまった大きな原因ではないでしょうか。原点に戻り、人と人の間にある気持ち=抒情、と捉えた場合、リアリズムと抒情は排斥しあうものではないと分かります。
…では、トップから「今月の詩」をクリックして、祐二さんの新作を楽しんでくださいませ。
(尾崎記)
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